体力と持久力の差。










「や・・・ぅ。・・・も、ダ、メ・・・ぇっ」

 はあはあとはしたなく息を乱して、いまだぼくの中をかき回すのをやめない大人をうつ伏せの状態から体を捻って見上げた。

「そうか? まだ、余裕が・・・ありそうだが」

 ぼく程ではなくても、十分に息を乱しながらぐっと腰を押し進められて、刺激に体が跳ねる。

「んぅっ」

 なんでこう、この男はこういう事にはやけに元気なのだろう。
 もとから体力も持久力も差があるのは分かっている。そもそもの生きてきた環境が違うのだ。一時戦場に身を置いていた自分と歴戦の剣豪ではその差は歴然だろう。
 それでも、街中をぶらぶらすれば先に疲れたと言うのはゲオルグの方なのに。

「あっ。やあっ」

 あっという間に追い詰められて、吐き出して、シーツに身をゆだねても、体の中のゲオルグはまだ元気そのもので・・・。
 それどころかさらに大きくなった気がするのは気のせいなのだろうか。

「ほら。まだだぞ」

 ぐいっと突き上げられる。
 ぼくは声にならない声を上げて震えるしかない。

「も・・・無理だってばぁ」
「俺よりも若いわりにもうダウンか?」
「ゲオルグが、年齢のわり・・・に元気なんだよっ。・・・ひゃっ」

 繋がったまま体を起こされて、体の重みでさらに深いところまで入り込んできて、ぼくはたまらず声を上げる。

 顔、汗と涙と涎ですごいことになっているんだろうなぁ。

 見られたくなくて顔を逸らしたものの、大きな手がぼくの頬を包んで顔を合わせられた。

「ファルーシュ」
「あ・・・」

 獣の目だ。
 金の瞳がぼくを食らおうと欲の滲んだ色をのせている。
 視線をそらせなくて、見詰め合って。

 ああ。
 結局、ぼくは流される。

 情熱的な口付けを受けて、すでに気持ちは高ぶり始めて。

 でも。けれど。
 体力と持久力に差がある事を、本当にちゃんと理解して欲しい。
 ぼくはゲオルグほど頑丈じゃないのだから。

 ・・・きっと明日はベッドから出られないだろうと確信しながら、ぼくは与えられる快楽に身をゆだねたのだった。








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