重なる身体を抱きしめて進んで。
柔らかな感触をもって頬に吸い付いては「ちゅっ」と音を立てて離れていく、唇。
口元、首筋、首の付け根、鎖骨とそれは順に降りていき、ちょうど心臓の上あたりに長めのキスを落とす。
彼が動くと同時に、長い髪がゲオルグの体を這うようにたどり、それがまたくすぐったくて小さく笑うと、淫蕩な表情をしたファルーシュが顔を上げた。
なんて顔をしているんだと内心で思いながら、確実に欲望に火がついたのを感じた。
「ゲオルグ、何を考えているの?」
ファルーシュはゆっくりと体を起こすとゲオルグの腹に腰を下ろす。
もう少し後ろにずれたら彼の尾てい骨と緩く反応している己のものが触れ合うな、などとイヤらしい事を考えつつ彼の裸の腰に手を添えた。
白く、キメ細かくハリのある肌は熱い。
自分と同じように興奮しているのだろう。
「おまえの事しか考えていないぞ」
太ももや尻を撫で回しながら言えば、わずかに頬を赤く染めたファルーシュの息が乱れた。
「・・・ほん、とうに?」
「ああ。・・・こんなにイヤらしいおまえを、他の連中は知らないんだろうな、とな」
「あ・・・んっ」
入り口をまさぐると、ファルーシュが微かに震えながらゲオルグの腹に爪を立てる。
湿り気を帯びたそこは先ほど受け入れたばかりでまだ柔らかい。
ぐちぐちと中を弄りつつ、もう一方の手で尻を揉みしだくと、耐えられないとばかりに、ゲオルグに抱きついた。
膝を立て、腰だけを高く上げた状態になったら、それこそこちらの思うままだという事に気がついていないのか。
それともそうしてほしいのか。
すでに腰を揺らし始め、ゲオルグの腹部にファルーシュの立ち上がったものを擦り付けている。
耳元で喘ぐ声はこちらを煽り立てるものに他ならず、ゲオルグは華奢な肢体を己の体ごと反転させると彼の唇を激しく貪った。
普段は穏やかで清廉なファルーシュのこんな淫靡な姿をいったい誰が想像できるというのだろう。
「ゲオッ・・・ルグ・・・っ」
互いに獣のように抱き合って、求め合って。
「ファルーシュっ」
愛しい気持ちと独占欲が交じり合い欲望となってファルーシュの中に叩きつけられる。
それを恍惚と受け止めるファルーシュを見るとゲオルグは満たされた気持ちになった。
その上、すべてを受け入れてからこれ以上ないほどキレイに笑う姿を見せ付けられてはもう、その手を離すことなどできるはずがない。
これは、俺のものだ。
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